インタビュー

Interview

承継開業インタビュー 病院譲渡インタビュー スペシャルインタビュー

承継開業成功インタビュー

福島に元気を!との思いで郷里での開業で心燃える青年獣医師
【福島県】

ペットクリニックわたり
太田基文院長

3月11日、それは、東北大震災の追悼記念の只中での今回のインタビューでした。たいへん複雑な思いで、福島の地に足を踏み入れました。除染作業真最中、放射の影響に対する住民の思いは・・?家族親族をなくされた方々の悲しみの思いは・・・?風評被害で農業立国としての福島の産業への痛みは・・・?福島駅の近くでの震災復興イベントに参加して、その思いを訪ねつつ、福島への復興を願って承継での動物病院を開業に踏み込まれた太田先生のインタビューになりました。病院は明るい陽射しが差し込み、看護婦の笑い声が響き、太田先生も、地域の重いイメージを跳ね返す明るくさわやかな青年獣医師でした。

 

Qさっそくですが、千葉で順調に獣医師として活躍されていた先生が福島での開業を決められた理由を教えてください。

Aもともと、福島出身で、母一人福島においての千葉での獣医師生活でしたので、いつか、福島に戻る思いでいました。今回の震災で、故郷が大きな被害を受け、農業しかない福島が壊れるとの危機感がありました。それで、福島へ帰郷して病院を始めようと思いました。微力ながら、動物病院の開業を通して福島に貢献ができればと考えたのです。それは突然チャンスが来ました。母に母の友人が動物病院の継承のチラシが入っていたと、持ってきてくれたのです。その舞い込んだチラシを持って母はできないと思わないで挑戦しては・・とプッシュしてくれたのです。

 

Qその後順調に、承継は進みましたか?

Aはい、おかげさまで、今回は承継の専門コンサルタントの西川さんのおかげで、何の支障もなく円滑に承継は進みました。開業は大変だと 先輩から聞いておりましたので、こんなにスムースにいくとは驚きでした。金融公庫も西川さんにアドバイスと折衝のおかげで順調に満額が下りて、本当に何のストレスもありませんでした。病院も結構新しく、新築と変わらないくらい新で広さも十分です。本当にラッキーでした。つくづく私は運がいいと思います。

 

Q承継の開業で気を付けておられることはなんですか?

A環境づくりをしてもらえた今、この機会を活かし貢献していこうとの熱い思いがあります。まず、従業員が働きやすい職場つくりをしようと思います。この業界は、夜10時、11時と長い労働が多いのですが、残業をなくし、時間内で仕事ができるようにしたいです。もちろん残業すれば残業代は着実に支払いますし、仕事に意義を感じ、有給休暇もしっかりと取って充実した生活を送ってほしいともいます。機材や薬剤の納入業者さんに対しても、使っている人が一番知っているとの信頼でその人の薦める機材を信頼して購入しています。動物の治療方法も前院長のやり方を急に変えるのでなく、尊重しています。それは、学ぶことも多いし、自分のやり方を押し付けては患者さんに混乱と不安を与えないためです。看護婦にも以前のやり方を丁寧に聞いています。もちろん、治療法の選択肢を広げて説明しています。先入観を捨てて受け止めることからしています。要は、従業員、患者、業者さんなどみんなハッピーになってほしいのです。

 

Qすばらしい経営方針ですね。最初からそんなお考えがおられたのですか?

Aいいえ、若いころから、海外旅行が好きで、ヨーロッパ全般、ペルー・ボリビア、インド・マレーシアなど世界各国を回ってきました。旅の中でいろんな不都合、壁があって、自分で前に出て打開していかなければならないことが多くあったのです。その時、現地の人に臆していれば、道が開かないので、自分で壁を一つ一つ乗り越えてきた経験があります。そのおかげで、壁は乗り越えるものとの自信みたいなものがあります。異文化の旅行は本当にいいですよ。私は、旅を通して成長させられました。母も海外旅行が好きで、20歳代で、シベリヤ鉄道で旅したと言っていました。母とはよく旅の話で盛り上がります。

 

Qどおりで、包容力のある広いお考えは、海外旅行の賜物だったのですね。すべてが順調に見えますが・・

Aいいえ、わたしは大学時代、研究室の人間関係で生き詰まりを感じ、大学院を中途退学し鬱になって、やる気を喪失して、大学院を中途で退学し、しばらく福島で何もせずにいた時期もあったのです。長い間ぶらぶらしていると、母も大変心配したと思います。ずいぶん背中を押されました。しかし、大学時代の友人の一言で救われました。「太田ならどんな環境でも乗り越える」との励ましで、元気になったのです。そして、千葉の動物病院に勤めたのです。旅行好きの先生で、とても気が合って楽しく仕事をさせていただきました。院長は放任主義で、私はいろんな体験をさせて頂きました。今、鬱を乗り越えた体験から言えることが一つあります。「何があっても鬱にならない。壁は乗り越えられる」との確信です。大学院の中途退学も鬱も本当に私にとっていい体験でした。自分で大学院入学をきめ、自分で退学を決めたのですから一切、後悔はありません。

 

Q後輩が開業するにあたって承継でお勧めのポイントをお話しください

A新規開業は、リスクと多く、資金の苦労が絶えないと周りからよく聞いていました。その承継での開業は、最初から着実に黒字で、経営の新たな挑戦がいろいろできるということですね。それに私よりずっと数多くの病院経営を見ている西川さんは目が肥えており、そのアドバイスは本当に的を射ており、安心できます。獣医師は病院をそれほど見てないので、狭い情報の中での開業になり、本当に大変と心から思います。すでに売り上げ見込みも着実です。前院長の色についても自分の先入観を捨て新たな気づきの機会としてとらえて思い込まず受け入れて学べばいいのです。少し筒変えていけばいいのです

 

Qこれからの経営の方針を聞かせてください

Aまず徹底して掃除しました。導線を効率的にして、働きやすい職場つくりをしました。そして、余裕の資金で大型テレビを購入して、動物の飼育の方法などの情報を流し、広いロビーを使って、パピーパーティーなど飼い主に飼育方法の学びを提供し、交流の場を提供しようと思います。ホームページもとても大事ですので、いいものをココロの西川さんに作ってもらっています。ホームページでいい情報を地域に流していこうと思います。

 

Q最後に若い人に一言

選択肢を増やすことが大切です。自分の身の丈に合った選択肢を選んでください。新規開業のできる器の人は、それでもいいのですが。こだわりを持たず、承継で少しずつ器を大きくして家族と自分の幸せを大事にしてほしいのです。そういった意味で承継は若い人に大きな選択肢の一つとして考えていただきたいと思います。