承継開業インタビュー: 藤野動物病院

公開日:2020年12月28日
この記事はメディカルプラザが制作・監修した「サクセッション - 獣医師向け動物病院の承継開業の情報サイト」上で連載された記事を本サイトへ移行したものとなります。

なぜ、規模が大きい動物病院を引き継ごうと思えたのか?藤野動物病院

 

藤野動物病院  伊藤太一院長(福岡県小郡市)

開業後4か月

獣医師4人、看護師7人

 

:伊藤先生は規模の大きな病院から開業スタートすることは最初から希望されていたのでしょうか。

伊藤院長:承継病院の候補リストには多くの動物病院名が載っていました。その中で私が希望したのは、小規模の動物病院を承継する意識はもともと無くて、自分が可能な限り、規模が大きい病院を引き継ぎたいと考えました。

借金の額が大きければリスクも大きくなると考えがちですが、規模が大きい病院は売上も大きいわけで、その分、返済能力もあります。小規模の病院だから借金の額も小さいから短い期間で返せるかと言えば、売上も小さいのでそうとは言えません。

一見すると、規模が大きい病院の承継はすごく勇気が要るようにみえますが、リスクの面からみると、規模が大きい病院の方が圧倒的に低い。希望が大きい病院から始めれば、例え売上が落ちても、そこから再度勝負することもできますが、小規模病院スタートで売上が落ちたら、何もできなくなりますから。

規模が大きい病院だからすごく大変かと言うと、そうではありません。今は勤務医が3人居ますので、万が一、私が腰を悪くして病院を休んでも、動物病院は回っていきますが、小規模の1人獣医師ならば病院存続の危機になることから考えてみても、私は規模が大きい病院からスタートしたことでこうしたリスクは低くなっていると言えるでしょう。

規模が大きい病院にはヒトの採用という大課題がありますが、ヒトが増えてそのヒトに仕事や役目をどんどん任せていけば、院長としてやるべき仕事もハッキリしてくるので、これも規模が大きい病院からスタートすることのメリットであると考えています。

:他者に任せられる院長とそうではない院長とが居ます。任せられる院長でなければ、規模の大きな病院の承継は無理なのですが、伊藤先生がヒトに任せられるようになったのには、どういうきっかけがあったからなのでしょうか。

伊藤院長:私が名古屋と神戸で勤務していた動物病院が色々と自由にやらせてくれる病院だったからだと思います。開業希望だったので、勤務先病院を決める条件として「自由にできること」を優先したこともありますが、その病院で様々な経験を積ませて頂いたことが今につながっているので感謝しています。

勤務先病院を選ぶ上で、「自由にやらせてもらえる」ことは大事な条件ですが、院長からすれば、「任せて大丈夫かな」と考える。それでもその2つの病院の院長先生は勤務医を信頼して任せてくれました。この経験があったので、自分が院長になったら、ヒトに任せていきたいと考えるようになったのだと思います。

ミスは、ヒトに任せても起きるし、自分が起こすこともある。仕事をやる上でミスはゼロにはならないだろうというのが私の考えです。そこでヒトに任せていく方が、私もそのヒトもいい仕事ができるようになるし、そのヒトにとってもいい経験になる。それで動物病院の業績が向上していけば、みんなにとっていいことかなと思います。

 

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