動物病院の 開業場所 に対する考え方

公開日:2020年09月17日
この記事はメディカルプラザが制作・監修した「サクセッション - 獣医師向け動物病院の承継開業の情報サイト」上で連載された記事を本サイトへ移行したものとなります。

開業場所を「どこでもいい」と言える人が重視する条件は何か?   

Q:今は勤務先動物病院を選ぶ場合も、開業場所を選ぶ場合も、人が多く集まってくる首都圏の方がこれからも有望だと考える獣医師が増えているために、地方都市では勤務医の数が足りないとか、後継者がいないといった問題が発生しています。

 

伊藤先生は勤務先は名古屋でしたが、開業場所については地方都市の福岡を選択されました。

なぜ福岡を開業場所に選ばれたのか、その理由は何だったのでしょうか。

 

伊藤院長:私は島根県出身で、獣医科大学で大阪に行き、名古屋と神戸で勤務して、この福岡で開業しました。

この開業場所については、「どこでもいい」と思いました。

それは開業で最も優先した条件は、「自分が可能な限り、大きな規模の動物病院の方がいい」と考えたからです。

承継開業コンサルタントから、承継病院一覧を見た時、函館、愛媛、そして福岡に絞り込んで、その三択の中で、新幹線があるところがいいと思って、この福岡に決めました。

 

Q:東京、神奈川、もしくは関西圏と勤務先も生活する場も、「場所」にこだわる獣医師が増えています。伊藤先生が「どこでいい」と考えられたのは、なぜでしょうか。

伊藤院長:場所にはこだわらずに、どこにでも移動して勤務したり、開業できるタイプの人が重視しているのは、「条件」だと思います。

その条件とは、大きく3つに分かれます。

①様々な経験を積めるかどうか

②将来的な安定があるかどうか

③給与と休み

私が勤務先動物病院を選択した時の基準は、①の経験を積めるかどうかでした。

そして開業して院長となる場所として選んだのも、①の経験が積めるかどうかでした。

首都圏や大都市と比べて、地方都市では大学病院や二次医療病院がないのでいろんな症例の患者さんが来ます。

獣医師として、いろんな経験が積める場所だと判断したからです。

 

Q:この承継開業では、自分が希望する場で承継動物病院が見つかるとは限りません。

首都圏の案件がないわけではありませんが、希望者が多いので、すぐに決まってしまいます。

そして希望する地で承継動物病院候補が出てくるまで待っていたのでは、開業時期を逸してしまうことになります。

ゆえに、「どこでもいい」と選択を幅を広げることが承継開業ではチャンスを大きくすることになります。伊藤先生は、場所よりも病院の規模に重点を置いて選択したことで、自分の思い通りの開業ができたのではないかと思います。

 

ありがとうございます。

⇒ホームページ  藤野動物病院 https://www.fujino-petclinic.com/

 

藤野動物病院 伊藤太一院長(福岡県小郡市)

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