カリスマ 院長の動物病院を承継する悩みとは?

公開日:2020年03月27日 最終更新日:2024年06月23日
この記事はメディカルプラザが制作・監修した「サクセッション - 獣医師向け動物病院の承継開業の情報サイト」上で連載された記事を本サイトへ移行したものとなります。

カリスマ 院長の動物病院を承継する悩みとは?

「腫瘍の認定医」としてカリスマ的存在である井関敦公院長が40代後半での引退を決断。その動物病院を引き継いだのは、同じく、腫瘍を得意とする長澤先生でした。

勤務医からカリスマ院長の病院を事業承継で引き継いだ事例となりました。

動物病院の事業承継をどこで知りましたか?

Q:  勤務医の時にこの事業承継をどのようにして知り得たのでしょうか。

長澤院長(以下、長澤):  学生の時から臨床系に進むなら開業を目標にしようと考えたので、勤務医として就職した病院の院長に入った時から開業の意思を伝えていました。

開業への自信がついてきたのが5年目からで、新規開業しかないかなと思っていたら、

「承継開業という別の方法もあるよ」と院長が教えてくれました。

その後、具体的に承継先病院が見つかって院長に相談すると、「引き継げば良い」と仰って、背中を押して下さいました。

カリスマ 院長の動物病院を承継する悩みとは?

Q:  今回、長澤先生が承継された「いせき動物病院」はこの地域では腫瘍の認定医というカリスマ院長の病院でした。

このカリスマ病院を承継できるかどうかで最初は不安があったと思いますが、なぜ決断できたのでしょうか。

長澤:  井関院長は「自分の家族ならば救うため、癒すためにどうするか」を軸にして診療されていました。

これは私が前に務めていた病院の院長とも同じ考えでしたので、治療法は多少異なりますが、「目指すところが同じである」と思えたことで、自分でもやれるのではないかと思えたからです。

Q:  井関院長は40代後半で完全引退されました。

これはここ数年の傾向で、40代での引退希望が増えていることに多くの先生が驚かれます。

40代院長の病院を引き継がれて、どんな感想をお持ちですか。

長澤:  第一印象は、病院の建物も内装もキレイだということです。

そして、40代でバリバリと仕事をやられている時の病院なのでしっかりとして売上もあり、まだまだこれからの発展が望める病院を引き継げたことで、新規ではありえない、院長としてのスタートが切れたと思っています。

カリスマ病院を引き継いだメリットは何か?

Q:  このカリスマ病院を引き継いだメリットとして、どんな点がありましたでしょうか。

長澤:  まずは、この札幌の厚別地区では新規での開業が増えていないことです。

首都圏と関西、名古屋と札幌では開業希望者が多いと聞いていますが、この厚別地区では増えていません。

井関院長は有名な先生でしたので、新規開業者にとって「強敵が居る場所は避けたい」と思うのでしょうか。

これは事業承継の強みでもあり、カリスマ病院の強みを活かすために「いせき動物病院」という病院名を変えないことにしました。

また、飼い主様の客層が高いことです。

井関院長は「若い頃は攻撃的だった」と仰っていましたが、クレームになりそうな方や滞納者は徹底的に排除して下さったので、私が承継後に患者様との関係で大変と思ったことはありません。

私が以前務めていた病院は関西圏ですので、こうしたトラブルがないわけではありません。

前の病院の院長も、井関院長同様に、トラブルとは戦う人でしたので、客層も良質な方ばかりでした。

これは事業承継のお陰で、トラブルになりそうな人だと「他の病院に行ってください」と言えるのは、承継開業の強みだと思います。

新規開業はまずは新患数を増やすことに必死にならなければなりませんから、どんな客層であってもウエルカムでやらなければならないことから考えると、これも承継スタートの強みと言えるのでしょう。

 

カリスマ動物病院を引き継いだメリットはどこにあるのか

長澤絋生院長(札幌市厚別、いせき動物病院)

長澤先生が承継された「いせき動物病院」

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