首都圏の動物病院の 新規開業 ラッシュが意味すること
首都圏の1都3県で5年以内に新たに設立された動物病院の数は1156件。2014年からの5年間で首都圏の1都3県で新たに設立された動物病院の数です。
この数字を知れば、誰もが新規開業の異常事態が続けていると気づくでしょう。
動物病院の新規開業ラッシュの理由
そこで考えて頂きたいのは、
この 新規開業 ラッシュが続いているのは、ペットブームの最中ではなく、犬の頭数が減り続けている中で起きていることだということです。
首都圏や都市圏での勤務されている先生にお伺いします。
これだけの数の動物病院が新たに生まれているのに、ご自身が働いている動物病院では来院数などが変化したことがありますか。
おそらくは毎日休む時間もなく勤務されていることと思います。
犬の頭数が減っているのに、多くの動物病院がなぜ流行っているのでしょうか。
それは、人間で考えても同じ答えです。
人間の場合、どこに病院に行っても患者さんで溢れて、長く待たされることが問題視されていますが、診察を待っているのは、大多数が高齢者です。
勤務医ご自身の患者さんをみても、高齢犬の数が長年、最多水準にきているので、動物病院経営は安定しているのです。
2020年代初め、団塊世代が後期高齢者になっていくために医療費がかかり過ぎて国民皆保険制度の維持が厳しくなっていくと指摘されています。
人間の場合はこれから高齢者がますます増え続けていくことになりますが、動物病院の場合、2018年から高齢犬の数は減り始めている可能性が高いと言えます。
●動物病院の売り上げの多くを占める高齢犬の減少
●新たに犬を飼う人の減少
そして
●首都圏、都市圏での新規開業ラッシュ
動物病院のマーケットについて
これからマーケットが縮小に転じた場合、このまま動物病院の数が増え続けることがどんなことを引き起こすのでしょうか。
それは、過当競争の激化であり、売り上げ不振で経営に行き詰まる動物病院が出てくるということです。
すでに売上減から倒産する動物病院も首都圏では出始めています。
2020年代初めに入ると、どこの動物病院でも高齢犬の減少を実感することになるでしょう。
ただし、器械メーカーなどの業者は首都圏で経営破綻の動物病院が出始めていても、その情報を公表することはありません。理由は器械が売れなくなるからで、まだまだ一部の人しかこの情報は知りません。
そのため、新規開業ラッシュはまだまだ続く可能性が高いと言えるでしょう。
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