獣医療 を21世紀につなげるために、今やるべき2つのこと
動物病院( 獣医療 )は飼い主さん自身の高齢化と犬の少子化によって、これまでの右肩上がり経営ができた時代が終わって、今度は右肩下がりの経営環境に変化していきます。
しかし、この経営環境変化がいくら厳しいものであったとしても、
動物医療はこの21世紀にしっかりと引き継いでいかなければなりません。そのために、いま、何をなすべきなのでしょうか。
後継者に第三者を視野に入れて考えてみること
第1点は、「後継者に第三者を視野に入れて考えてみる」ことだと思います。
団塊世代のリタイアと経営者の高齢化で急浮上してきた問題が、
「後継者」問題です。
2018年の日本企業の後継者不在率は、どれくらいだと思われますか。
帝国データバンクの2018年10月時点での調査では、
「66.4%(全国)」
いう、驚くべき数字となりました。
経済産業省が2017年10月に公表した試算では、
◯今後10年間で70歳を超える中小企業経営者数は、約265万人。
◯2025年までに約650万人の雇用と約22兆円のGDPが失われる。
これだけ後継者問題が深刻化している原因は、「子供、親族しか後継者と考えていない」からです。
中小企業の場合、子供や親族が後を継がなければ、黒字でも廃業させる企業が増えています。
この状況は、動物病院も同じです。
これまで「後継者」と考えられてきたのは、子供と親族、そして勤務医でした。
しかし、子供に継がせるのはどんどん難しくなってきています。
その理由は、
「親の仕事を押しつけていいのか。子供には子供のやりたいことがあるのではないか」と親が考え始めたことや、子供にお金をかけて教育した結果、別の道に進んでしまったとか、
この先のことを考えると子供には継がせたくないとか、
一般企業でも、動物病院でも、自分の子供に継いでもらうのは難しい時代に入っています。
そのため、子供、親族が継がないなら、
「第三者である他人に継がせて企業や動物病院を次代に残す」
という発想への転換の必要性が増しているのです。
廃業、倒産を終わらせること
第2点は、「廃業、倒産を終わらせること」です。
動物病院は、「開業→繁栄→成熟→衰退→廃業」という道をたどるのがこれまでの流れでしたが、一代限りで動物病院を閉じてしまうのは実にもったいない限りです。
事業承継で第三者に譲れば、次世代に動物医療を受け継がせていくことができます。
1人でも多くの院長が廃業に到るより前にリタイアを決断することで、院長のリタイア後の人生をハッピーにすることができ、若い獣医師の開業のチャンスを拡げることにつながるのです。
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