なぜ 動物病院 の院長たちは引退を決断したのか?
人間の医者でも同じですが 動物病院 でも子供に承継させる場合、親である院長は翁先生として病院に残るケースの方が多い。
ゆえに、40代から60、70代で院長引退、完全引退を決断するのは、事業承継の場合に限られると言ってもいい。
そこで、院長がなぜ引退を決断しなければならなくなったのか、
その理由について特集する。
近年、40代での早期引退希望の院長が出てきた
「2010年から10年に渡り、事業承継によるリタイアの相談を全国の院長から受けてきましたが、2018年に1つの変化と思えることがありました。
それは、40歳代院長からの相談が増えてきたことです。特に40代後半です。
これまで私が承継リタイアの相談を受けてきたのは、やはり、50代、60代が中心でした。
この年代でも、獣医師は生涯資格だから一生働けると思っておられる先生方から見れば、「なぜこんな早い時期に辞めるの?」と映ってきました。それが今では、40代の働き盛り世代が院長リタイアを考えざるを得なくなってきています」(承継開業コンサルタント・西川芳彦氏)。
編集部が考えた引退理由は「体力の衰え」
そこで、西川氏のこれまでの承継データを元に引退理由を整理して行こうと思います。まず、60歳以上の院長の引退理由としてはどんなことが考えられるでしょうか。
当然一番多いのは体力の衰えであると思われるでしょうが、実際にリタイア院長にお伺いすると、その理由はまったく違うところにありました。
引退を考えるようになったきっかけは、「患者さんの名前が出てこない」とか、「薬の名前が出てこない」とか、「同じことをするのに今まで以上に時間がかかるようになってしまった」とか、高齢化に伴う身体の変化です。
しかしこれらはあくまでもきっかけであって、引退を決断させた原因ではありません。
では、何が決断に至らせたのでしょうか。
引退を決断した理由の多くは「気力・モチベーションの低下」
多くの元院長は「気力・モチベーションの低下」と言っています。
夜でも手術をしていたのにそれが面倒臭くなったとか、新しい医療技術を勉強する気力が湧かなくなったとか。
そしてほぼ全ての元院長が「完全燃焼したのでこの仕事に未練はない」と答えられています。
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