【臨床獣医師の人生の選択肢はこれだけ増えた】
~獣医師の 将来 の選択肢が先細る方向に動くのか、増えていく方向に動くのか~
臨床系に進む獣医師が、動物病院に就職する、転職する際に重視するポイントには、勤務地とか、病院規模とか、勤務医の数、そして年収や病院内の雰囲気などが挙げられるでしょうが、自分の老後のことまでを重視して決めている先生はほぼいないと言えるでしょう。
しかし、開業した院長に「なぜ開業を決断したのか」と聞くと、「この動物病院に居続けて自分の老後に不安を感じたから」、「子供の将来のことを考えたら」という答えが多く返ってきます。
この意識の差がどうして生まれていくのかですが、
やはり、年齢差です。
獣医師の年齢による考え方の違い
20代で50代、60代の自分を意識しろというのは無理な話ですが、
30代くらいになってくると、家庭がありますので、子供に一番お金がかかる50代の自分を意識せざるを得なくなるからです。
50歳代での年収や老後生活の安定を考えて開業に踏み切った院長が多くおられます。
獣医師という国家資格による選択肢
一方、学生の時から将来安定を意識して就職先を決めるとなると、公務員とか、企業研究員といった選択肢があります。
獣医師という国家資格は、医師や歯医者、弁護士、公認会計士などの他の国家資格と比べて、はるかに多くの学卒後の選択肢を持っていると言えるでしょう。
ただこの企画で勤務医にお伝えしたのは、「獣医師は学卒後の選択肢は多いが、その先の人生の選択肢はどんどん少なくなっていく」
という点です。
この選択肢が多いことを一般的に「潰しが利く」と言いますが、「副業」が企業でも認められるようになってきているのは、収入面のみならず、この選択肢を増やす上でも良い流れが始まったと言えるのでしょう。
歯科業界と獣医業界
また、以前、歯科医師業界の話を伺った時に、こんな話が聞けました。「歯医者さんは患者が病院に来るのを待つのが基本スタンスですが、病院に行きたくても行けない高齢者が増えている。
そこで訪問歯科という新たな市場を作ったことで、歯医者さんには2つ目の選択肢ができた。
通常診療に加えて、訪問歯科をしている先生は業績を伸ばしています」(株式会社デジタルクリエイト・前田実男社長)。これからの時代を考えますと、やはり、獣医師でもこの選択肢を増やす方向に自分で行動しておくことが大事になってきます。
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