動物病院の グループ化 ・買収について
投資ファンドによる動物病院買収は、日本だけで起きているのではなく、世界的潮流である
投資ファンドが目をつけたのが日本の動物病院?
今、金融機関、投資ファンドは巨額の金あまり状態であるため、投資案件を求めて、投資効率がいい事業を探しています。
そこで投資ファンドが目を付けたのが、動物病院です。
日本の動物病院は、企業経営ではなく、個人事業の病院が大半です。
投資ファンドはこの動物病院の経営規模が小さすぎることに目を付けました。
「売り上げが小さい=生産性が低い」と考え、
そこで生産性を上げるために小さい動物病院を集めて大きくする(グループ化する)というビジネスモデルを考え出しました。
動物病院のグループ化のメリット
動物病院をグループ化することでのメリットはどんな点に出てくるのでしょうか。
例えば、設備投資です。
病院規模が小さいと高額の器械は買えません。
しかし、小さい動物病院を集めて規模を大きくすると、グループで高額器械が買えるようになります。
CTスキャンなどがあるとその動物病院の付加価値、評価も上がり、獣医師もそんな設備がある動物病院には喜んで集まってくるので、
自ずと収益性が上がる
というビジネスモデルです。
「投資ファンドのこのビジネスモデルは日本よりも先にヨーロッパで導入されて成功しました。
世界における動物病院のグループ化
ヨーロッパは、米国のように大規模の動物病院があるのではなく、小さな動物病院が林立している状態でした。
そのヨーロッパで投資ファンドが小さい動物病院を集めてグループ化したらうまくいったという事例ができたので、次に儲かる市場はどこかというので、同じような経営環境にある日本に目を付けてきたのです。
投資ファンドが新たな投資先として動物病院に目を付けて買収するのは、むしろ世界の潮流であって、日本にはようやく入ってきたということです。
投資ファンドによる動物病院のグループ化で、ヨーロッパと日本との違いがあるのは、勤務医が生涯安心かどうかという点です。
米国同様、ヨーロッパでも獣医師は年収が高いので、終身勤務医でも老後生活の安泰が図れますが、
日本だけが動物病院の過当競争で勤務医の年収が低いので、投資ファンドによってグループ化された企業動物病院でも勤務医がハッピーになれるとは限りません」
(承継開業コンサルタント・西川芳彦氏)
投資ファンドによる動物病院の買収が始まったが、2018年。
そして外資による動物病院の買収は、2019年に始まりました。
ほとんどの勤務医、院長が知らない間に動物病院業界の再編は着々と進んでいるのです。
コメントを残す