獣医師を リタイア した後に考えること
親しい友人たちは、「もうやめるのか、いいなあ」という意見でした。
「こんな承継 リタイア をさせてくれる会社があるんだ、今度聞いてみたいな」
という先生もいました。
やはり一番多く聞かれたのは、「これからどうするんだよ」という問いでした。
リタイア に対して同世代の獣医師の意見は?
私は、リタイア後にやりたいと思っていること、
まずは旅行三昧で過ごすなどの話をしますと「それはいいねえ、僕ならスキー三昧だろうね」とか、
「うちはまだ子供が小さいからリタイアはまだまだ先かな」
という先生もいて、反応は様々でした。
みんな60歳前後でもうすぐ引退を考えなければならない世代ですが、獣医師をやめても第二の人生はまた別のことをやって楽しみたいと考えている先生が増えてきているようにも感じました。
ただ私の同年代だとまだリタイアした先生はいません。
この事業承継で自分の病院を他者に譲って、そこから家賃収入を得るという方法でリタイアする人もまだいません。
私が初めてのケースになります。
60歳は若い?獣医師が引退を考えるのはいつ?
皆は60歳でも「まだ若い」という気持ちでいますから、実際のリタイアはまだまだ先のことでいいという感じです。とにかく仕事が好きな人たちばかりなので、私が「早くやめて好きなことをすればいいんじゃないのか」と言っても、今はまだ聞く耳を持たないでしょうね。
仕事だけの人生もありだが、人生を楽しむのもありである
獣医師という仕事は、休みがあっても、入院患者がいたり、急患があったりと休めない仕事です。
そのため、どこかに出かけるということができませんでした。
「ここから離れてどこかに行きたい」というのが、リタイア後の生活で一番したいことです。
旅行に行くことも自分の思い通りにはなりませんでしたから、リタイアしてしばらくは、この旅行三昧の生活もいいのではと考えています。また映画とか、美術館も好きなので、海外に長期滞在して見て回りたいとも思っています。
いろんなプランが浮かんできて、何から始めようかとワクワクして引退する瞬間を待っている感じです。
これまでの獣医師生活と言えば、朝起きて病院に行って仕事をして定時になったら病院を出て家に帰るという、単調な毎日の繰り返しでした。
勤務医先生がいた頃には自分の休みもとれたのですが、いなくなると、全部、私がやらねばならなくなって、自分がやりたいと思ったことができなくなる。
仕事だけの人生もありだと思いますが、そうではないことで人生を楽しむのもありだと思います。
リタイア後にどんな人生を送るのか、その人なりの人生観が最もよく現れてくるのではないかと思います。
獣医師の引退・リタイアは新しい人生のスタート
とにかく私はこの節目を引退・リタイアではなく、新たな人生のスタートと捉えています。
ようやく自分がやりたいことができるようになる。
これまでの獣医師院長としての重荷を下ろすことができる。
引退するというよりも、ようやく解放されて自由になるという感覚です。
これも金銭的にゆとりがなければできませんが、第三者事業承継でこの点もクリアできたので、こんなに楽な気持ちでいいのかなと思える状態にあります。
60歳でも獣医師はなぜリタイアを考えないのか?獣医業界のこれから
どんな仕事に就いていても同じでしょうが、20代や30代の時に、「50歳、60歳になった時にどうしよう」とはまず考えないものです。
これから10年先、20年先に自分の業界の経営環境がどうなっているのかも知ろうとはしません。
これが普通です。
動物病院について言えばなぜ若い獣医師さんたちがリタイア後を意識しないのかと言えば、
「院長になりさえすれば70歳、80歳になってもずっと働いていられる」
というイメージがあるからです。
50歳、60歳でハッピーリタイアした先生がまだまだ少ないから、自分が50歳、60歳になった時にこうしたいというようなイメージが浮かばないのでしょう。
これから、この事業承継で若年リタイアする院長が増えてくれば、
それは若い先生にも、人生の可能性をつくることになるのかもしれません。
私は、60歳で完全リタイアして、旅行三昧、趣味三昧で人生を謳歌していることをみせていきたいと思います。
そうすることで、将来、「自分もこうしたい」と考える若者が出てくることを期待したいです。
これからはいろんな生き方があっていい時代なのではないかと思います。
そしてこの第三者事業承継は、確実に獣医師先生の生き方の選択肢を拡げてくれますから、これからますます必要性が増していくと思います。
私のリタイアは、引退ではなく、新たな人生のスタートである
夏目どうぶつ病院 夏目茂・元院長 千葉市美浜区
コメントを残す