動物病院を繁盛させる秘訣は?
動物病院を繁盛させる秘訣と言えるかどうかは分かりませんが、私が大事と思っていたことをお話しましょう。基本的には3つで1つ目が自分の価値を知っておくこと、2つ目が自分のキャリアを知っておくこと、3つ目が心理学を取り入れたことになります。
動物病院の現在の価値を知っておくこと
まずは、自分の今の価値がどれくらいなのかを知ることでしょう。
動物病院の経営は、基本的には患者が来院するのを待つ、「待ち」です。
しかし、これほど当てにならないものはありません。
待つのを少しでも減らして、「攻める」。
1つには、ワクチンや定期健診の案内を出すとか、駅前広告を出すとか。
攻めの方法は考えればもっともっと出てくるはずです。
こうした攻めの努力をして患者さんの数が増えてくれば、自分の評価が上がったのだと捉えればいいし、逆に減れば、評価が下がったことになる。
こうして自分の価値は、はっきりと知ることができます。
これを日々、自覚していることです。
自分のキャリアを知っておくこと
そして次に、自分のキャリアを知ることです。
私は、避妊手術に最初は1時間半かかっていたのが、10数年間で45分でできるようになりました。
これが、10数年間のキャリアという意味でしょう。
今までできないことができるようになったとか、短時間でできるようになったというのは、日々の努力が実った結果として自分のキャリアとして自覚することです。
心理学の観点を取り入れた
そして3番目が心理学ですね。
なぜ動物病院の経営なのに、心理学が大事なのか、その理由がわかりますか。
20年間くらい院長をしてくると、
身なりに関係なく、この人は金持ちなのか、そうでないのかが見分けられるようになってきます。
つまりは、人を見抜く目ができるということなのですが、そこで1つの営業テクニックがあります。
診療ではその人に「高いですよ」と言っておいて、いざ窓口で会計する時にはまあまあの金額を請求する。飼い主は金額に安心して、ああこの病院に来てよかったなと思ってくれます。
これは心理戦です。
もう1つ、事例をあげれば、飼い主さんが持ってこられたお土産をどうしていますか。
看護師と病院内で食べていますか。
このお土産を病院内の人で食べないことも、1つのコツです。
それは、患者さんたちに返すのです。
すると、「もらったよ」と喜んでくれて、またその人が今度持ってきます。
これを繰り返しているうちに感謝されるようになってきます。
看護師さんたちと食べてしまうと、そこでおしまい。
これも心理学を利用した方法です。
ヒトとヒトとの付き合い方を勉強することが重要
普通、獣医師は技術ばかりを重視しますが、営業とか、マネジメントとか、心理学の大切さはまず理解していません。
技術さえあればなんとかなると思っている人が多いのかもしれませんが、私はヒトとヒトとの付き合い方を勉強することが一番経営では大事なのではないかと思って、実行してきました。
患者さんは物、お金には十分満足しています。
患者さんの心に訴えて感謝されるパフォーマンスが一番患者さんは満足すると思います。
引退後だから言える、「動物病院を繁盛させる秘訣」
丘の上動物病院 弓木秀次郎・前院長(宮城県仙台市)
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