獣医師(動物病院 勤務医 )の将来設計
動物病院の 勤務医 の時の給料のリアル
動物病院の勤務医時代を振り返ると、本当に厳しかったです。私の最初の手取り額は18万円でした。
そこから60歳まで勤めあげても退職金はあるわけではなく、預貯金もできません。
ワンちゃん、猫ちゃんの命を預かる仕事ですから、ストレスが強い仕事であるわりに給与は低いと常々考えていました。
将来設計について考えていたこと
動物病院の勤務医を続けていると将来、老後は厳しいとわかっていたのに、自分の将来設計についてどう考えていたのかと言えば、「考えるのを逃げていた」と言うほかありません。
これは考えれば考えるほど分からなくなります。
ますます不安になるので、「まあいいか」と逃げたり、「もうだめだ、無理だ」と悲観的に落ち込んでしまったこともあります。
なぜ私が悲観的にならざるを得なかったのかと言えば、自分には勤務医を続ける以外に人生の選択肢はないと思い込んでいたからです。
働ける間はバリバリ働いて、ある程度の経験値があれば、食べて行くのに困ることはないだろうと漠然と思っていました。
獣医療の技術だけを磨いていた
新規開業で独立するのは無理だと悟ってからも、とにかく技術だけは磨いておこうと考えて勤務医を続けてきました。
あえて1人で機械設備の少ない分院の分院長を引き受けたこともありますし、沖縄ではとにかく物凄い数の手術の回数をこなしてきました。
しかし、いくら獣医師としての技術・経験値は増えても、開業資金は貯まりませんでした。
家族ができると貯金はますますできなくなりますが、あれから2年経った今の自分はここ広島で分院を譲り受けて、独立開業しています。
この私が開業できたのは、この第三者事業承継と出会えたおかげです。
動物病院の開業の大きな壁「開業資金」
動物病院の開業の一番大きな壁はやはり開業資金が用意できるかどうかだったと思いますが、
たいていの場合は銀行から借りる形になるのでしょう。
ただ私は保証人もなく、担保もありませんから、銀行が融資してくれることはありえない話ですが、この事業承継で紹介された銀行はすんなりと私にその資金を融資してくれました。
それも審査をきちんとしてというわけでもなく、最初に訪ねた段階から「貸しますよ」という前向きの姿勢で対応してくれました。
銀行がなぜ当初からこんなにも好意的に私に接してくれるのか、不思議でしたが、承継が終わった後で考えてみますと、「院長の浜村先生が長年築き上げられた信頼をも引き継げたからだろう」と気付きました。
動物病院の事業承継のメリットとは?
この動物病院の事業承継は、「病院建物・医療機械」というハードウェアと、「カルテ・スタッフ」のソフトウェア、この2つが承継できることがメリットでゼロからのスタートではなくなるとコンサルの先生から説明を受けていましたが、私のケースでは、前院長先生の銀行からの信頼があったからこそ、私が絶対不可能だと考えていた開業が可能になったのだと思います。
勤務医時代、自分の将来設計については考えるのを逃げていた
KAITA動物病院 野田宗志院長(広島県広島市)
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