動物病院を 独立開業 するまでの軌跡
私は大分県の出身ですが、獣医師になった時から1つの壁がありました。それは、地元の大分県ではそんなに働ける病院がなかったことです。
そのため、県外で勤務医として働ける病院を友人の紹介とか、ネットで探して、栃木、大阪、浜松、そして沖縄と勤務地を変えて勤めてきました。
動物病院の勤務医の際に思っていたこと
勤務医は1つの病院に長く勤めていると給与はそれなりに上がりますが、私のように病院を替わっていますと、勤務医として働いたトータルの年数では評価してもらえずに、たいていは新人扱いになってしまいます。
当然、給与はグーンと下がります。
こんなことから勤務医として一生働いていくのは難しいかなと感じていました。
それでも私が病院を次々と替わってきたのは、「ある一定以上の手術は勤務医にはやらせてくれないから」です。
やりたいなと思うような難しい手術は院長が自ら執刀をしますから、これが勤務医との違いだと実感させられました。
そうなると、私はもうこの病院に居るメリットはないなと思って、辞めていました。
私が勤務医を続けてきた中で一番こだわってきたのは、様々な手術を自らの責任を持って実施できる環境です。
これは動物病院を独立開業するための絶対条件であると考えていたからです。
「手術の経験を積んでいって独立する」。
そのためには多少給与は減っても、手術ができる病院へと移りました。
しかし、それで独立できるかと言えば、そうではなく、いつしか独立を諦めてしまっていました。
その理由は、「開業資金がなかったから」です。
動物病院の開業方法は新規の他にある?
その当時は、独立する方法は新規開業するしか道がないと思い込んでいますから、「開業するには5000万円という開業資金が必要ですよ」と聞くと、「自分にそれだけの資金を貸してくれるところがあるだろうか」とか、「借りられたとしても果たしてきちんと返せるだろうか」とか考えると、どうも踏み切れません。
お金を銀行から借りるにしても、私には保証人も、担保もない状態でしたので。
勤務医として働き始めてからずっと独立したいと思ってきましたが、現実を知るとますます無理だなと考えてしまって、諦めていました。
その後、この沖縄の動物病院も辞めたい、ネットで次の病院を探すことくらいはしておこうと思って、「院長」とか、「副院長」というキーワードで検索していました。
それがたまたま承継開業コンサルタント会社のホームページがヒットして、この第三者事業承継という、もう1つの独立する手段があることを知ることとなりました。
新規開業についてはすでに諦めていましたが、「これだったらできるのかな」と、ホームページを読み終わって自分の将来の選択肢が拡がったように感じました。
すぐさまコンサル会社にメールを送ってコンタクトをとりました。
そこからはあっという間でした。
初めて東京でお会いしてから承継の契約をするまで、わずかに2ヶ月あまりでした。
「まあ、やってみるか」という感覚で、この承継開業を決断しました。
勤務地を変えると新人扱い。これでは勤務医を続けるのは難しい
KAITA動物病院 野田宗志院長(広島県広島市)
コメントを残す