この動物病院の承継開業によって、勤務医からオーナー院長になったことで、心配事が変わってきました。その第一が動物病院の「経営」についてです。
動物病院の オーナー院長 になって大変なこと
これまで副院長までは経験したことがありますが、オーナー院長とはまるで違う点があります。
1:動物病院の経営
それは、自分でお金を借りて支払うとか、税金を払うとか、スタッフを雇うとか、借金を返して行くとか、私がこの全てを決定していることです。
これまで副院長の肩書きはあっても、実際には会社経営の病院の勤務医ですから、経営にまで携わることはできません。
学習の機会がない
こうした経営法については、勤務医時代には全く学ぶ機会がありませんでした。私は医療技術についてはしっかりと磨いてきましたが、病院経営についてはこれまでやってきていないことだから不安に感じています。
これからスタッフの数をどの程度まで増やしたらいいのかとか、
フィラリアの時期にはどう対応したらいいのかとか、分からないことがどんどんと出てくるのでしょう。
いきなり20年やってきた病院を引き継いでいるので、経営については手探りでやっているという感じです。
獣医師のキャリアの選択は20・30年後を考えて
私と同じ年代の30歳代の勤務医先生には、「20年後、30年後をよく考えてほしい」と申し上げたいです。
勤務している病院が20年後、30年後にどうなっているのか。
30年後、30年後に今よりもっと給与がもらえているかどうか。
30年後、30年後に体力的に今と同じような働き方ができるかどうか。
これらを考えてみてください。
誰しも「まさかの時」は考えたくはないことです。50歳、60歳までに怪我や病気をするかもしれません。
獣医師は体力勝負の一面もありますから、体力的な限界がやってくるかもしれません。
そんな場合、勤務医ならば病院を辞めなければなりません。
そこから新たな人生を始めるのは、結構無理がありますから、若い時から独立して自分の城を作っておけば、自分が休んでも病院を運営して行けるシステムはつくることができます。
これは、勤務医では不可能ですが、院長なら自分の働き方も調整できます。
つまりは、院長になれば、自分なりの働き方を決められるのはメリットの1つでしょう。
2:個人的な財産面
もう1つは、「財産面」です。
院長になれば、病院建物も土地も自分のものであり、それを銀行からの借金で買ったとしても、その借金の返済も自分の頑張り次第で早く返せる。
返してしまえば、それ以降は全部プラスになる。
子供の養育費・教育費にお金がかかる時期にあわせて貯金ができる環境をつくることもできるでしょうが、勤務医ではそれはなかなかできません。
この点も、勤務医を続けているか、院長になるかで大きく違ってくる点です。
繰り返しますが、自分が50歳、60歳になった時にはどうなっているのだろうかを、30代の頃から考えて行動しておくことは大事です。
将来に不安を感じたならば、それはシグナルです。
いろんな情報を集める、勉強会に参加してみるなど、行動してみることです。
自分の未来につながるきっかけがそこに待っているはずです。
勤務医と院長とでは心配事が変わって来る
丘の上動物病院 伊藤慎一郎院長(宮城県仙台市)
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