動物病院を 新規開業 から事業承継に切り替えた理由
最初は動物病院を新規開業するつもりでした。それは承継開業を知らなかったからではなく、「新規でやろう」という意識でした。
ところが、あることをきっかけに「事業承継でもいいかな」と思いを変えます。
それは、預貯金が思うように貯まらなかったからです。
動物病院の開業資金
当時、銀行から動物病院の開業資金の融資を受けようとすると、1000万円か、2000万円が限界。銀行は預金がなければ貸してはくれませんから。
この金額で新規開業となると、かなり酷い状態になることは十分予測ができました。
医療器材が揃わないとか、場所も思ったところには開業できずに辺鄙なところにせざるをえないとか、内装もできないとか、毎月の売上げもテナント代で消えてしまうのではないかとか、マイナスのことばかりが次々と頭に浮かんできました。
これでは新規でスタートするのはリスクが高すぎると思って、承継コンサル会社に、事業承継できる動物病院を探して頂く依頼をしました。
それからこの丘の上動物病院の院長先生と出会い、迷う事なく、ここに決めました。
前院長の銀行に対する信頼
この事業承継で私が勤務医から開業できたのは、銀行の院長先生への信頼があったことと、不動産を含めての譲渡で担保ができたことで、私の希望通りの額を融資してもらうことができたからです。
不可能だと思っていたことを可能にしてくれたのがこの第三者事業承継です。
もし承継コンサル会社からの話がなければ、私はまだ勤務医を続けていたことでしょう。
承継する動物病院の「条件」にしたのことは?
北海道からこの仙台に就職で出てきて、仙台と盛岡で勤務医を9年間続けてきました。
開業をと考えた時、地元北海道に戻ることも選択肢としてはあったのでしょうが、
この仙台は勤務医として周りの繋がりがある場ですし、一緒に働いてきた仲間がいましたから、「仙台であること」を1つの条件としました。
ただ勤務していた病院と同じ仙台ですので、「勤めた病院とは近くないこと」も条件に加えました。
場所にはこだわりましたが、他には条件をつけませんでした。
後からコンサルの先生から
「この仙台だけでと考えた時に承継案件が自分の思いに見合うものがこれだけの短期間で出て来る可能性は限りなく低い。むしろゼロと言った方がいいかもしれない。それでも案件が出て来たのは伊藤先生が強運の持ち主だからでしょうね」
と言われましたが、本当に運も味方につけないと私が希望するこの仙台で承継する事は不可能に近いことだったのかもしれません。
預貯金がないので、新規をやめて承継開業を決意した
丘の上動物病院 伊藤慎一郎院長(宮城県仙台市)
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