承継動物病院 の条件とは?
承継を志す前の獣医学生〜勤務医(臨床獣医師)の間
私は大学3年生の頃に小動物臨床に進もうと決め、実際にどのような働き方があるのかを調べ始めました。当時よく言われていたのは、動物病院の数が飽和状態にあるために勤務医制度の確立が非常に重要になるという事でした。
色々な病院を見学し、長期勤務をされている獣医師の方々の働き方を見たり、お話を伺ったりしました。
給与面や労働面など、勤務医のメリットやデメリットを考えていく良い機会となりました。
実際に獣医師として働き始めてからも、勤務医を続けるのか、開業するのかという迷いは常にありました。
病院の数も多く、医療機器などの初期投資額も昔と比較して増加している中で、自信を持って新規開業できるイメージを持つことは難しいことでした。
そのような中で、臨床に出て3、4年経った頃にこの事業承継の話を聞いたときは、とても大きな可能性を感じました。
医療機器やカルテなどがそろっている中で、働きながら承継費用を支払うことができる。
さらには地元に根付いている病院を引き継ぐことにより無駄な競争を作らない、これは理想の開業に近いのではと感じました。
当時勤めていた動物病院は非常に温かく居心地の良い病院で、長期勤務も可能だとお話を頂いていたのですが、もし理想の開業が出来るのなら事業承継にチャレンジしてみようという考えに変わっていきました。
承継動物病院の条件は3つを考えていた
私が 承継動物病院 を探していく上で、承継開業コンサル会社に出させていただいた条件は、次の3点でした。
1. 地域に根ざしており、オーナー様からの信頼が厚い動物病院
2. 埼玉、東京、神奈川のいずれかであること(私と妻の両実家が近いこと)
3. 今後も獣医師として成長できる環境であること
地域に根ざしており、オーナー様からの信頼が厚い動物病院
1. 事業承継は、患者様がすでにおられて、院長先生の信頼も引き継げることから優位にスタートできるという大きなメリットがあります。
また、すでに地域に根ざしている動物病院を引き継ぐことにより、大きなやりがいも得られると考えました。
動物病院の場所
2. また、現在私には2歳になる子供がいます。
子供は急に体調を崩したりすることがありますし、仕事では急患が入ることもあります。
いざという時に頼ることができる両親がいてくれることは非常に心強いです。
現在も本当にたくさんの手助けをしてもらっています。
獣医師として成長できる環境
3. そして、獣医師という仕事はとてもやりがいのある仕事です。
この事業承継を機に、獣医師としてより成長したいと考えていました。
上記3点を満たしており、また専門性の高い動物病院であるということが、この承継の大きな魅力でした。
承継動物病院の前院長との出会い
承継動物病院の前院長先生に初めてお会いした時、先生は私に「君は大型犬の避妊はできるか」と尋ねてきました。
「はい、できます」と答えると、
別室にはすでにシェパードが横になっており、すぐに避妊手術を任されることになりました。
色々と話をしてからではなく、いきなり手術を行うことからこの承継は始まりました。
この手術の際に、先生の外科に対する姿勢や技術の高さを肌で感じて私は非常にワクワクした事を覚えています。
また前院長先生も、こいつを鍛えれば何とかなるかも、と考えて下さったようです。
承継期間は平均半年ほどだが2年3ヵ月の承継期間
通常の承継であれば、前院長との承継期間は平均で半年ほどですが、私の場合は技術の承継もあったので、2年3ヵ月の承継期間でした。
その間、先生の助手について、整形外科手術をおそらく200症例近く勉強させていただき、実際の執刀も何例か担当させていただきました。
日々、沢山の外科トレーニングをさせてくださり、使用する器材や消耗品もすべて前院長先生が提供してくださいました。
また、「外科は私が教えるから、内科は大学に行って勉強してきなさい」と2年間大学にも通わせていただきました。
整形外科の技術というものは、一朝一夕には身につかないものです。
承継期間が終わり、現在はようやく整形外科のスタートラインに立たせてもらったところだと考えています。
今後、この貴重な勉強時間を活かせるかどうかは自分の頑張り次第だと思っています。
いきなり手術することから、私の承継開業は始まった
霞ヶ関どうぶつクリニック 上原大地院長 (埼玉県川越市)
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