夫婦間の コミュニケーション の重要性を考える
仕事による コミュニケーション は夫婦間の親密さを作ることにつながる?
Q:共感すること、共有することで親密になるとのことですが、獣医師の場合、ご夫婦で獣医師であるとか、同じ病院のなかで働いているケースがあります。
共有のコミュニケーションとなると、やはり、仕事ということになるのでしょうが、それも、夫婦として親密さをつくることにつながるのでしょうか。
丸屋先生:もちろんです。夫婦が共にやっている自営業なら、仕事と生活と共有部分が拡がります。
仕事で互いが信頼し合う関係であれば、それはすごくいい夫婦関係にもなります。
しかし、仕事がうまくいっていないと、仕事の問題が夫婦関係にも影響し、家庭内もうまくいかなくなるという、悪循環になってしまいます。
夫婦関係で、「偽りの平和」と呼ばれる関係があります。
テレビで「仮面夫婦」と言われる関係のことですが、表面上は何も無いようなふりだけしている夫婦のことです。
例えば、問題が夫婦関係にあるのに、それを仕事で不満を妻が発散しているようなケースです。
夫には、仕事に不満があるとしか映りません。
妻が本当の原因が家庭にあることを言えばいいのですが、これでは不一致ばかりが生まれて、
ついには仕事での喧嘩が絶えなくなっていく。
当然ながら、会話、コミュニケーションも普通にできなくなって、ますます仕事の関係も、夫婦関係も冷めていくことになります。
こういったケースで大事なのは、
「仕事上のストレスマネジメントがきちんとできているか」
です。
ストレスマネジメントの重要性
休みが無い状態で仕事を続けていて、慢性的に疲労を感じていると、いつもイライラして、きちんと相手の話を聞こうという気になりません。
獣医師の院長先生は自分がトップだから、どんな働き方をしていても、誰からも何も言われることはないでしょうから、このストレスマネジメントに気付くことは難しいかもしれません。
精神的な安定とか、日々の生活、食事であるとか、睡眠であるとかがきちんとバランスがとれることで、仕事も、家庭生活もうまくいく。
このストレスマネジメントは、お医者さんとか他者から「こうだ」と言われてできるものではありません。
《自分で積極的、かつ能動的に取り組まないと身に付きません》
つまりは、その人の人生観、生き方そのものだからです。
このストレスマネジメントがきちんとできてくると、仕事や家庭、そして健康面での効果が確実に現れてきます。
「ただの夫婦関係の問題も、それは人生観や生き方そのものに関係してくる」。
この点をどれだけ理解しているかどうかだと思います。
専門家に聞く、偽りの平和・仮面夫婦になる理由
丸屋真也先生 IFM(家族・結婚研究所)代表、臨床心理士博士
丸屋先生の記事は他にもあります。
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