獣医師の離婚の原因はタイムマネジメント?
獣医師のワークスタイルと離婚
Q: 獣医師の院長先生は1日の大半が仕事になってしまいます。
夫婦で獣医師さんであるとか、奥さんは看護や事務を手伝っているというケースがあるのですが、それでも離婚が多いのは働き方に大きな要因があるのでしょうか。
丸屋先生: 日本人の場合、男性はまず自分がしっかりと働いて家族を養わなければならないと考えてしまいます。
そのために1日は仕事オンリーになってしまって、家にはただ眠るために帰るということになってしまいます。
がんばらないといけないと考えてしまうので、仕事人間、会社人間になろうとしますが、それは違うと思います。
実際の例|大企業の事業本部長の話
例えば、こんな事例があります。
大企業で事業本部長といった役職にあった人で、妻はうつになり、思春期の子供達は問題を抱えていたというケースです。
その妻が私のところに訪ねてきました。
「夫が帰ってくるのは毎日夜中です。1日平均500通のメールが来ています。そんなに忙しいんでしょうか。旅行に行っても気にしているのは家族ではなくメールです」。
これではせっかく家族のコミュニケーションで旅行に行っても意味がないですね。
私は妻に夫を連れてきなさいと言いました。
すると、妻は「忙しいから来れるかどうかわからない」と言います。
それで妻が夫を連れてきました。
「このままだと奥さんがどうなるか、わかりませんよ」とまずはお話しました。
そして、「いつもそんな時間にしか家に帰れないんですか」と聞きました。
すると、「実は違うんです」。
「水曜日には定時で帰るという会社のルールがあります。しかし、私は家に帰って何をしたらいいのかわからないのでそのまま会社に残っていたのです」。
これが夫の答えでした。
すぐに私は、「それなら早く帰りなさい」とアドバイスし、
それから夫が一週間に1日でも早く家に帰り始めると、そこから夫婦間の変化は始まりました。
早く帰ることで妻の話を聞く、子供の話を聞く。すると、夫も家庭内での役割、つながりが出てくるのです。
「休めないんです」と言うのは、「自分が休めないように働いているから」です。
仕事がうまくいっている時ほど、自分を止められない。その間に夫婦関係や家族関係は冷めているかもしれません。
タイムマネジメントの重要性
タイムマネジメントをすると、自分が無駄な時間を使っていることに気付くし、部下に任せるところは任せば、時間をつくることもできます。
もっと忙しい人はたくさん居るでしょうが、それでも家族を大事にしている人はたくさん居ます。
「やれません」、「そんなことは無理です」と言うのは、最初からやろうという気持ちがない。
しかし自分でやろうと思えば、1時間でも、2時間でも早く家に帰ることからでも始められるのです。
要は、意識を変えない限り、ダメです。
私はどんな方にも申し上げるのは、「NEVER TOO LATE」。「決して遅すぎることは無い」。
思い立ったが吉日。この記事を読んだことがきっかけで始めてください。
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丸屋真也先生 IFM(家族・結婚研究所)代表、臨床心理士博士
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