動物病院の獣医師は、アメリカ並みに 離婚率 が高いと言われます。この離婚問題もまた、獣医師の「見えないリスク、意識していないリスク」の1つと言えます。そこで、離婚にならないためのアドバイスを行っておられる、結婚・家族問題カウンセラーの第一人者、IFM代表の丸屋真也先生にお話を伺った。
動物病院の獣医師の離婚について考える
日本の離婚率の現状は?
Q:国連の統計データによると、離婚率が世界で最も高いのはロシアですが、
日本も経済要因などで、離婚率が高くなって来ています。また職業別でみると、ヒトの医者、獣医師は離婚率の高い職業になっています。
離婚相談と言えば、弁護士の仕事ですが、丸屋先生は、離婚しないためにどうすればいいのかをアドバイスされておられるカウンセラーです。
まずは、日本の離婚状況から教えてください。
丸屋先生: カウンセラーに相談に相談すると、たいていは「離婚カウンセラー」ですから、まずは「別れることを前提にしてどうすれば損をしない別れ方ができるのか」から話が始まるのが普通です。
弁護士さんに相談される場合も、別れることを前提に話を進めてしまいます。
そこで私の研究所では、「どうすればよりよい夫婦関係ができるのか」といったご相談以外はお断りしていたのですが、全相談数の1%でも離婚しないでいい夫婦に戻れる方がいるならばと思って、相談をお受けすることにしました。
動物病院の院長の離婚は比較的多い|結婚にあたって重要なことは?
Q: 動物病院の院長は、非常に離婚率が高い。
そこで、どういうケースなら改善に向かうのか、逆に離婚した方が良いのはどういう場合か、そのポイントをお教えください。
重要なことはパートナーシップ
丸屋先生: 私はカウンセラーとして「パートナーシップが大事である」とお伝えします。
海外では、夫も妻も仕事をしています。
たとえ大統領であっても、妻が自分のキャリアを持っていることは珍しくありません。
これによって、夫婦対等のコミュニケーションが出来るようになるのです。
一方、日本では、夫は仕事だけ、妻は家庭だけになってしまいます。
それで結婚生活が10年、20年と経てば、夫と妻の意識は大きく離れてしまいます。そして夫が定年を迎えた時、妻が熟年離婚を切り出すことになります。
結婚とはなにか?を考える必要性
つまりは、結婚に踏み出す前に1つ、考えなければならないことがあります。
それは、「結婚とはなにか」という問題ですが、日本人はまず考えません。
結婚したらどんな夫婦になろうか、どんな家庭にしようかと話し合ったことがあるでしょうか。
結婚してからでも、夫婦で向き合って、どんな家庭をつくるのか、話し合うことはないのではないでしょうか。
この日本には、夫婦や家庭に関する成熟した文化がないのではないかと思います。
話し合い、コミュニケーションがないから、結婚生活が長くなれば、その分、互いの距離が生まれてしまう。
夫は仕事だけをしていればいいとなるから、そのうち、自宅に帰りづらくなる。妻は、夫にはお金だけしか求めなくなる。
それで期待を子供に向ける。
その子供も大学を出れば、母親を相手にしなくなる。本来なら、子離れをした時から夫婦だけの時間に戻れるチャンスなのですが、別居とか、離婚とか、悲劇的結末になってしまうのです。
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丸屋真也先生 IFM(家族・結婚研究所)代表、臨床心理士博士
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