獣医師と患者さんとの関係が引き起こす、メンタルの問題について山縣然太朗 山梨大学医学部・大学院社会医学講座教授にインタビューをしてきましたので公開します。メンタルヘルスについての理解が深まることを狙っています。
獣医師とメンタルヘルス
動物病院の院長がメンタル面で悩むこと
Q: 前回は、やり甲斐の持てる職場にするためのマネジメントについて貴重なお話が聞けましたが、動物病院の経営者である院長がメンタル面で悩むことに、患者さんとの関係があると思われます。
この点についてアドバイスをお願いできればと思います。
ストレスのポイントは?
山縣教授: これは動物病院の院長先生のみならず、ヒトの医者、学校の先生も同じだと思いますが、「モンスター」と呼ばれる患者や両親が居て、なにかとクレームを言ってくる。そういう人が居るだけで、疲弊し切ってしまいます。
以前のように「先生、ありがとうございます」という感覚ではなくなってきて、
「私はお客様で、お金を出しているのだから当然だ」という言葉遣いや態度で接して来る人が増えているように思われます。
院長のストレスを考えた場合、恐らくはこのモンスター患者さんとのやりとりが1番のストレスになるポイントだと思います。
医師の場合と獣医師の場合の違い
ヒトの病院の場合は、若い医者と患者さんがトラブルこともありますが、普通は事務方が間に入って処理します。
医者は医療のみに集中できるので、患者からのストレスに直接悩むことはありませんが、
開業医の場合は、やはり自分で対処しなければなりません。
そこは大病院の勤務医と開業医との違いではあります。
動物病院の場合も、開業医と同じく自分で対処することになるのでしょうが、それでは日々の診療ができなくなります。
こうしたトラブルの相談を受けてくれる人(弁護士など)をつくることがこのストレス対策になるのでしょう。
(※この原稿は2016年の取材原稿に編集部が注釈を入れてネット原稿として作成しました)
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