動物病院の価格設定|東京都匿名院長

公開日:2019年05月01日
この記事はメディカルプラザが制作・監修した「サクセッション - 獣医師向け動物病院の承継開業の情報サイト」上で連載された記事を本サイトへ移行したものとなります。

動物病院の価格設定|東京都匿名院長

私は2度、承継開業をした動物病院の院長になります。1番目の承継開業は、大都市の一等地にありながら、値段は周りの病院と比べて圧倒的に安い動物病院でした。

客単価は5000円くらいです。

いわば、「安売り」の動物病院でした。

そこで私が経験させられたのは、前院長の思いを継いで安売りを続けようとしましたが、私が承継して新院長になって以降、その安売りを武器に新規の患者様が増えたかと言うと、そうではなかったことです。

逆に、なぜか、減り続けていきました。「このまま続けていても」と思ったので、

その動物病院の承継を断念して、

2度目の事業承継をお願いしました。

 

2度目の承継開業は、東京都にある病院です。

ようやく自分の思いで病院経営ができるようになったことから、承継当日から私のモチベーションが違っていました。

365日休みなしで、死にものぐるいで頑張ってきました。

値段の設定も、「この地域なりの妥当な値段」という考え方で設定しました。

すると、承継3年にして、客単価は1万5000円となり、前の病院と比べると、3倍になりました。

 

3年間で3倍というと、ビックリされるかもしれませんが、それは、前の動物病院があまりに安すぎたからです。

 

私はこの妥当な値段を理解して頂くために、

常にベストな診療、

他の動物病院にはない診療を提供してきました。

患者様の満足度を上げるために特に注力したのが、「インフォームドコンセント」です。

説明のためにたっぷりと時間をとるようにしていますので、

他の患者様を待たせることも多々あります。

また、スタッフにも、「医療技術がいいのは当たり前。それにプラスアルファー、一流ホテルのようなホスピタリティ・おもてなしを心掛けてほしい」とお願いしています。

 

この地域はペットに対する意識が特に高いところだと意識しています。

私が検査を勧める前に、患者様から「この検査をぜひお願いします」と依頼されてハッとすることもあります。

 

まだまだ「安いのがいい病院」という認識が強いと思いますが、自分の経験から言えることは「安いからこそもっと大変になっていく」ということです。

 

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