平成時代は、1980年代後半のバブル経済と1990年のバブル崩壊で始まりました。右肩上がり経済が終わり、右肩下がり経済に急激に転換していく中で、企業を守るためには問われたのは何でしょうか。
それは、「経営者の資質」です。
経営者の資質とは?動物病院経営の極意
バブル期は、「経営者は誰がやってもできる」と言われたものです。去年よりも今年、今年よりも来年はもっとよくなると景気の追い風があったことで、経営者はただ居ればいいという時代がバブルでした。
しかし、バブル崩壊で、そんな「ぬるま湯体質」の企業は一斉に淘汰されていきました。
動物病院で言うと、経営者とは院長のことです。
ペット市場のマイナストレンドは、すでに2018年から始まっていますが、
この転換は株価や不動産のバブル崩壊の急な変化とは違って、なだらかな変化です。そのため、なかなか転換が始まったことに気付いていない院長が多いのも実情です。
経営者としての感性
この転換では、院長の「経営者としての感性」が問われることになっていきます。
「医療技術の向上には非常に熱心でも、経営学についてはあまり関心がない」のは、
JBVP年次大会に参加しているとわかることですがこれからの時代は「経営法を学ぶこと」が病院の存続に影響してくることになります。
経営のイメージとは?
この「経営」についてはどんなイメージを持っているでしょうか。
「経営=金儲け」という、何か悪い事をしているようなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
それは欧米企業のように、資本家だけがぼろ儲けというイメージがあるからかもしれませんが、
日本では昔からの商いの方法として「近江商法」と呼ばれるものがあります。
丸紅、伊藤忠、高島屋、ワコール、西武など、近江出身の創業者を持つ企業が多々あります。近江商法の基本は、「三方よし」。買い手よし、作り手よし、世間よし。
みんながハッピーになって初めて商いは成り立つという考え方です。経営に関心が湧いて来たら、ぜひ、近江商法を研究してみてください。
お金をいかにして稼ぐかを考えるのが経営であるというイメージが強いでしょうが、
本当に考えなければならないのは患者様のために何ができるのか(これをマーケティングという)を考えることであったり、
勤務医・スタッフのために何ができるのか(これをマネジメントという)を考えることが、この「経営」の役割です。
サービスが先、利益は後の考え
宅配便を始めたヤマト運輸の小倉昌男氏の有名な言葉を紹介しましょう。
『サービスが先、利益は後』
動物病院も、経営法は企業と同じです。
今の大企業も、その始まりは一商店からです。
(三越・三井グループは、江戸時代の越後屋呉服店が発祥)。
この経営法を学ぶことがこれからの時代には不可欠になっていくのです。
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