獣医師と同じ国家資格である歯科医師
歯医者は本当に「食えない職業」になってしまったのか?
〜株式会社デジタルクリエイト 前田実男社長に聞く〜
獣医師と歯科医師の年収
歯科医師の年収を考える
2007年、『週刊東洋経済』に「歯科医師、年収200万円、ワーキングプアーの職種の1つに歯医者さんが入った」という記事は社会に衝撃を与えた。
歯医者はコンビニよりも多いと過当競争が激化しており、
厳しい職種を避けようと歯科医師を目指す学生も減ったと言われている。このため、歯医者は獣医師のこれからの姿を反映していると言われる。
そこで歯科業界でコンサルティング業務を行っているデジタルクリエイトの前田社長にその実態を伺った。
これからの歯科業界の見通しと課題
実は、歯医者さんはこれからどんどん足りなくなって行く歯科医師の基本データですが、歯科医師は10万人、歯科クリニックは6万8000医院、歯科大学を卒業する学生数は年間1800人から1900人です。
歯科医師の人生設計は免許をとった後は臨床研究医となり、その後、大学の先輩を頼って勤務医となった後に開業する人と、親が歯医者で引き継ぐ人とに分かれます。
これからの歯科業界の見通しですが、「団塊世代の院長がこれから大量引退してしまうので、これからが大変になる」の方が課題になっています。
歯科医師不足の加速
現在、クリニック・医院の院長の半分が50歳以上です。大抵は70歳くらいまでは働きますが、目や指先に支障が出始めると、リタイアを考え始めます。
団塊世代が70歳を迎えていますので、この世代が大量リタイアすると、歯医者の医師不足が深刻化していくことになります。
大学定員は1割減少、国試合格率は65%
これまで国家の政策として、医科大学の定員を1割程度減らしてきました。
さらに、国試の合格率は65%を切っています。
この政策は未だに続いていますので、勤務医の数が足りません。大手の医院で勤務医が独立開業すると、その後を引き継ぐ勤務医がいなくなって廃業せざるをえなくなる医院さえあります。
開業する歯科医の実際の平均年収
おまけに週刊誌で「歯医者は儲からない職業」という情報が盛んに出てしまったので、歯科大学を目指す若い人たちも減ってしまいました。
年収200万円という数字が出ていましたが、開業医の平均年収は1200万円から1500万円です。
歯科医院の廃業する理由
経営不振でつぶれる医院は、年間10件程度です。廃業が年間2000件ありますが、このほとんどは「高齢」が理由です。
歯医者は税金でも優遇措置があります。そのため、無茶さえしなければつぶれることはありません。
昭和30年代に歯医者がヒトの医師よりも年収が高かった時代がありましたが、高齢化が進む中で歯科医師不足という状況になっていくことで、昔の黄金期がこれから再びやってくるだろうと期待しています。
獣医師の年収と比較
獣医師で開業する場合の新規開業と承継開業で比較した年収の記事、転職後の獣医師の年収についてはサクセッションでもまとめていますのでお読みください。1000万勤務医(獣医師)の記事もあります。
歯科大が大量に新設され歯科医の大量生産が始まったのは団塊の世代が歯科大卒業して歯科医になってからですよ。
それに需給というのは減った分、こんだけ、増えた分こんだけで考えるものです、小学校の算数レベルの問題です。
人口減少で患者さんも減る、新規歯科需要で増える分こんだけ、、合わせて、、って考えみてください。 小学校の算数の教科書よみかえしてね