犬の 飼育頭数 が減少する理由(原因)とは?

公開日:2019年04月11日
この記事はメディカルプラザが制作・監修した「サクセッション - 獣医師向け動物病院の承継開業の情報サイト」上で連載された記事を本サイトへ移行したものとなります。

犬の飼育頭数が減っているのは日本だけで起きている現象です。なぜそうなっているのか?

動物病院の経営|犬の飼育頭数が減少する理由

犬の病気が増えたわけでもないから別の理由があるものと考え私がペットフード協会の会長になった時に徹底的に調査をしました。

すると、

1つの原因がみえてきました。

それは【2005年に動物愛護管理法が改正されたこと】で、ブリーダーの数が激減している事実に至りました。

2005年の動物愛護管理法が改正

悪徳ブリーダーが社会問題化している時だったので取り締まりのために環境省は法律を改正しました。

問題は、環境省が定めた法律の文面そのものではなく、文面の解釈にありました。

文面の解釈を括弧付きで「例として年2回または2頭以上」としたことで、

地方自治体がこの解釈を基にして「ブリーダー業」としての登録を義務付けしてしまったからです。

このため、年に1頭程度を繁殖させていたホビーブリーダーたちが一斉にやめてしまったために犬の頭数が減り始めたのです。

動物愛護管理法の改正後のブリーダーの人口

この法律改正の前後でブリーダー人口がどう推移したのかは、下記の通りです。

ホビーブリーダー 2004年  25.171    →→→  2014年  4.984

プロブリーダー   2004年   8.894     →→→  2014年  4.659

犬の価格への影響

ブリーダーが繁殖している頭数が減ることでどんな影響が出たのでしょうか。わかりやすく説明すると受給のパランスが崩れると起きることは一般的な商品と同じです。

ペットショップでの犬の販売価格が上がりました。2016年の調査で、2010年比で3.03倍になっています。今ではもっと上がっているでしょう。

これにより、飼いたいけれども金銭的に高くて飼えない人たちが増えてしまいました。

日本では、繁殖はプロに任せれば良いという国の政策で趣味で繁殖している人たちを制限してしまったために犬の頭数が減り、れからは高齢犬がどんどんいなくなるので犬の頭数減少がさらに進むことになるでしょう。

獣医師が知っておきたい情報はこちらの記事をお読みください。

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