【院長向け】動物病院の勤務医が独立する理由
現在の動物病院の経営を支えているのは、高齢犬です。この高齢犬がこれからどんどん減って行くことで、業界全体に大きな変化がやってくることになります。
この変化に伴って発生するリスクについてみてみると、勤務医の場合は、「終身勤務医で居続けること」がリスクになります。
では、院長の場合にはどんなことがリスクになるのでしょうか。まず1つ目は、「 勤務医 の独立」です。
動物病院の商圏内での開業
最近、病院を譲る予定の勤務医が病院の近くで開業してしまうというケースが都市圏で増えています。
1つのケースでは、新卒から勤務医になった獣医師に病院を譲って院長は引退する予定でした。
しかし、その勤務医は院長に知らせることなく、その病院を継がずに近くで新規開業してしまいます。
動物病院の勤務医が独立する原因は?
院長とすれば、繁盛病院になるまで一緒に働いた勤務医に継がせたい思いで承継を進めていたのが、突然、話がひっくり返るのですから、青天の霹靂です。
なぜ勤務医がこのような行動に走ったのでしょうか。
その原因となるのは、
1、院長と勤務医とのコミュニケーションがきちんととれていない
2、診療方針で違いがある
3、譲渡金額で院長と勤務医との相違がある
です。
トラブルになりやすい!動物病院の譲渡金額
一番トラブルになる理由は、やはり、譲渡金額です。
院長は、現在の売上1億2000万円に都市部の一等地の不動産4000万円を付けて、1億6000万円で買い取ってほしいと申し出たそうです。
この金額、勤務医である皆さんにはどう感じるでしょうか。
「これだけ頑張ってきたのに、この金額は高すぎる」
多くの勤務医がこう考えてしまうのでしょうが、院長としては正当な金額を提示しています。
その病院の勤務医も、新規で立ち上げれば4000万円から5000万円で済むのに、1億6000万円を院長になぜ払わないといけないのかと考えてしまいました。
それが、承継予定だった病院の近くで新規開業するという結果になったのです。
勤務医は医療技術を磨くことには必死ですが、開業するためには「経営」を勉強することが必要です。
この「経営」を理解し得ていたなら、この勤務医はすんなりと1億6000万円を払って、繁盛病院と都市部の一等地を手に入れていたはずです。
では、院長が提示した金額の意味についてみていきます。
提示された「1億6000万円」という数字をどう読み解くかという問題です。1億6000万円のうちの1億2000万円は、その病院が1年間で売り上げている金額です。
つまりは、この売上を維持できれば、5年間で十分支払える金額です。
院長は経営者ですから、承継者が支払えなくなるような金額を要求すると、結果的には自分も困ることになるのですから、承継者が支払える額を提示しているのです。
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