獣医師を引退する年齢は?50~60代が多い
動物病院の勤務医であり続けることもリスクになる?
最近の傾向として、動物病院を開業するリスクを避けるために生涯、勤務医を続ける方が安心、安泰と考える人(勤務医、学生)が増えています。
そのため、大学卒後の就職では、大病院や企業動物病院が人気になっています。
しかし、高齢犬の減少と首都圏での新設開業が集中することによって、これから病院経営が冬の時代に入っていくと、倒産やリストラが他の業界と同じように行われるようになるのは必至です。
《これからは終身勤務医であり続けることはリスクになります》
ゆえに、生涯、獣医師を続けたいと考えるならば、独立開業する方が最もいい選択になります。
開業した獣医師はいつまで仕事を続けられるのか?
では、独立開業した院長はいつまで獣医師を続けられるのでしょうか。
これには、3つのパターンがあります。
1、新規開業スタートで事業承継を知らないケース
2、新規開業スタートで事業承継を知っているケース
3、承継開業スタートのケース
1、新規開業スタートで事業承継を知らないケース
大多数の院長が自分が働ける年まで、獣医師を続けます。そして最後は廃業してしまいます。その割合は、8割以上にも及びます。
このケースがリスクとなるのは院長がサラリーマンや公務員並みの退職金や年金が受け取れないことにあります。
つまりは、70歳、80歳まで働いても、老後生活は大変になってしまうのです。また、廃業するのも、器械の処分費用なども掛かることになります。
2、新規開業スタートで事業承継を知っているケース
これまでの実例をもとに院長(獣医師)の引退年齢を調べると、次のような数字になります。
1、 50代:42%
2、 60代:38%
3、 40代:11%
4、 30代、70代:4%
このデータから、50代、40代の働き盛りで院長引退を決断される先生が半数以上居ることがわかります。この事業承継ができる病院は、勤務医が引き継ぎたいと思う繁盛している動物病院でなければなりません。
その繁盛病院であるがゆえに、院長は毎日の仕事の激務から解放されたいと思って、病院を譲って引退する決断をするのです。
この年代の場合、院長は引退しても、獣医師としてはまだまだ現役で自分の好きなように働きたいと考えておられます。
そして、病院を譲った若い新院長からの譲渡代金や不動産の代金も入ってきますので、リタイア後の生活も安定します。
3、承継開業スタートのケース
承継開業スタートで承継リタイアのケースはまだ1件程度しかありませんが、
承継開業スタートの多くの院長は、
「自分が引退する時はまた承継で若い獣医師に譲って引退したい」
と言われます。
その時期が何歳になるのかはわかりませんが、
「自分が譲り受けた金額か、それ以上で第三者に引き継ぎたい」
との思いを頑張るモチベーションにされています。
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