【小動物臨床】獣医師の転職について

公開日:2019年03月25日
この記事はメディカルプラザが制作・監修した「サクセッション - 獣医師向け動物病院の承継開業の情報サイト」上で連載された記事を本サイトへ移行したものとなります。

小動物臨床の獣医師の 転職 の思考法

一ノ瀬動物病院(静岡)院長の深野先生に 転職 した経緯について聞いてみました!

大きい動物病院勤務からの転職の動機は?

西川:深野百合子先生はなぜ首都圏の大病院の勤務医から転職しようとしたのか、その動機からお願いします。

深野:なぜ転職しようと思ったのか。その理由は、なかなか給与が上がらなかったからです。

勤めていたのは首都圏にある大病院で、給与は月額20万円台でした。

勤務医の水準からすると、普通なのでしょうが、私は学生時代に奨学金を借りていたので、その返済でこの代診の給与だと大変だったからです。

いっその事、獣医師を辞めて他の職業に就く方が給与面では改善されるはずと思ったこともありましたが、そこを踏みとどまったのは、臨床医としての10年以上のキャリアをこれからも活かしたいと考えていたからです。

女性獣医師だからこその転職先を選ぶ条件

西川:女性獣医師として、転職先を選ぶ際に特に大事にされたことはありますか。

深野:奨学金の返済があったため、給与20万円台では、ランチは300円程度に抑えるしかありませんでした。

大病院に勤めていれば、生涯勤務し続けることが安泰と考える人が多いかもしれませんが、私の場合、とにかく正社員として雇ってくれる企業動物病院を中心に転職先を探しました。

ただ首都圏では病院が何もしなくても若い獣医師が集まるので給与が安くても来てくれるとか、大病院は勤務医には学ぶ場でもあるから給与は安くてもいいとか、こんな理由もあってか、納得がいく病院はなかなか見つかりませんでした。

代診から1日3万円のピンチヒッター獣医師に転職した理由は?

西川:深野先生は転職活動でこのピンチヒッター獣医師の募集に応じられましたが、この仕事をどのように捉えられたでしょうか。

※【注】ピンチヒッター獣医師とは、院長が急病になって困っている病院に臨時の助っ人獣医師として派遣される先生のことで、株式会社メディカルプラザが事業承継で引退後の元院長先生にご提案している、新たな獣医師としての働き方です。

深野:「ピンチヒッター獣医師 1日3万円という新たな働き方」という広告を見た時、「なんだか怪しい仕事だな」と正直思いましたが、面接だけでも受けてみようという、軽い気持ちで申し込みました。

西川:この広告はどこに見られたのでしょうか。

深野:西川さんのメディカルプラザから私の病院の院長先生宛てに送られて来た小冊子の中で見たのだと思います。

「1日3万円」という文字が強烈な印象で残っていたので、思い出したのでしょう。ネットで調べたら、西川さんに辿り着きました。

その時は、今の仕事を続けながら副業として週に1回か2回でも行けたら生活が良くなるかなと思っていました。

ピンチヒッター獣医師(バイト)に絞った理由とは?

西川:しかし、大病院を辞めてこのピンチヒッター獣医師一本にしたのはなぜですか。

深野:面接が大手病院などとはまるで違ったからです。

大手の面接では私がいくら稼げる人間なのかばかりが問われましたが、ピンチヒッター獣医師の面接をして頂いた作本元院長は、「これから10年先のことまでプランを練って転職を考えた方がいいよ」と親身になって私の話を聞いて下さいました。

正社員で別の病院に行っても給与が20万円台くらいなら、バイトでも日給3万円の方がいいと思い、このピンチヒッター獣医師になることを決断しました。

その作本元院長とは、ピンチヒッター獣医師で派遣された病院でも一緒に働くことができましたし、その後、作本元院長からの提案で、私は承継開業で院長になるのですから、この面接は私の人生を大きく変えた出来事になりました。

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