【獣医師の声】 事業承継 で動物病院を1軒 増やす には?
新規で都市部で開業し、その後、承継でもう1件病院を 増やす ことで「勤務医・スタッフ雇用を守れる病院を作る」私の事業構想が動き出しました
私は大学を出て、都市部の大病院で勤務医になりました。しかし、そのまま勤務医で居続けようとは思いませんでした。
それは、たとえ大病院に勤めていても、自分の将来が安泰であるとは感じられなかったからです。
大病院には大抵、カリスマ院長がいます。
その院長もいずれは引退する年を迎えます。10年後か、20年後になるかはわかりませんが、その時に私は40代、50代になっているでしょう。
その年齢になって、院長の引退で病院が突然無くなってしまうかもしれない。
そう考えると、このまま勤務医で居続けることは安心、安泰というより、むしろ、リスクと思いました。
一生、獣医師としての仕事がしたかったら、独立開業するしかないと思い、新規開業に踏み切りました。
今の動物病院よりも大きい動物病院を引き継ぐ
「勤務医をいくら頑張って続けても、将来の安心、安泰にはつながらない」。
これが私が開業した動機ですが私と同じ思いをする勤務医を作りたくはないと考え、
「勤務医が一生安心して働ける病院、会社を作りたい」
と思うようになりました。
そこでこの事業承継を利用して、病院をもう1件、増やすことにしました。承継開業コンサルタントの西川さんから「多少遠くてもその地域でしっかりとブランドを築いている病院を承継することが私の構想を現実化させることになる」
と提案され、
今の病院よりも、売上高、勤務医・スタッフ数などが多い大病院を引き継ぐことにしました。
臨床獣医師の悩み
臨床獣医師としては十分な実力を持っていたとしても、開業・経営で必ずしもうまくいくとは限らない時代に入っていきます。
せっかく優秀な才能や技術を持った獣医師が、経営面でうまくいかないために、臨床家としての力量を発揮できないまま終わってしまうことになるのは大変残念なことです。
そんな獣医師が活躍できる場を作りたいとの私の思いを現実化してくれたのが、この事業承継でした。
事業承継で動物病院を増やすには?
私は、この事業承継で動物病院をもう1つ増やしましたが、「本院・分院」という発想ではありません。
本院にオーナー院長が居て、分院は勤務医が雇われ院長としてやっているというのが一般的なのでしょうが、私の構想はまるで違います。
それぞれの病院がそれぞれの地域でしっかりと独立していく。
本部の会社はそれらの病院を統括する役割で、いわば、「ホールディングカンパニー」といった仕組みを考えています。
獣医療技術の他に「経営」を学ぶことの意味
私が「経営」に関心を持ったのはバブル崩壊によって発生したデフレ経済が深刻化していて物が売れない時代でも、成功して成長している会社が多々あります。
「その会社はどうやって成功したのだろうか」
と興味を持ったことがきっかけでした。
そして勉強していくうちに、成功している会社には1つの共通項があることに気付きました。
それは「人を大事にしている」ことです。
動物病院はこれからが大変になると言われていますからどのようにして私の病院が生き残るかを考えた時に「働く人の質が良ければ、動物病院もうまくいくはず」と、経営の勉強から気付きました。
今まで業績を伸ばして来た動物病院は「トップダウン型のカリスマ院長」が多いように思います。ペット市場が伸びていた時代では、そういった勢いがある経営者が確かに強い。
しかし、これから犬の頭数が減って行く時代では人の力を活かす、引き出すような経営者でなければ動物病院は生き残っていけないのではないかと思います。
これからの時代の動物病院とは?
【これからの時代、こうした「ヒト本位の視点を持っている病院」が「トップダウン型の病院」に取って代わって行くのではないか】
と思っています。これから業界全体が下降傾向に入ってことで、動物病院業界の再編が始まって行くのだと思います。
実際に動物病院の承継開業をした獣医師の声がありますのでこちらをあわせてお読みください。
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