【実際の獣医師の声】動物病院の承継開業で 都市部 へ!
地方で新規開業した病院を譲渡承継で地方都市の大病院を引き継ぎました
私は他の大多数の勤務医と同じように、地方で新規で開業しました。普通ならここがゴールとなるのですが、私の場合、そうはなりませんでした。
新規開業のいい面は、自分が思う場所、思う形で治療ができる点にありますが、欠点は、ゼロからのスタートなので、患者さんを集めるのが大変でした。
夜中でも電話を取ることは当たり前にしていました。
また、どんなに忙しくても自分独りで頑張るしかありません。身体的にきつい面もあり、様々な不安を抱えながら、日々の診療を続けるしかなかったように思います。
開業して間もない時、その地域の方からある話を聞きます。
「この地方の子供は、息子は地元に残るが、娘は県外か、都市に出て行ってしまう」。
私の子供は3人ともに女の子でしたので、ここに居続けると将来、寂しくなるのかなと思ったことがきっかけで、私が都市部に出て行けば、そんなこともなくなるのかなと思い、病院を譲ることにしました。
動物病院の承継開業のからくりとは?
幸いにして知人が継ぎたいとのことで、病院を譲ったのですが都市部に出てから、また新規で立ち上げるかどうかには不安がありました。
「以前の病院と同じ売り上げか、それ以上の売り上げが出せるのだろうか」。
そんな時、この承継開業のことを知りました。メディカルプラザの西川さんに連絡をとり、コンサルティングをお願いして、私の事業承継が始まりました。
紹介して頂いた病院の譲渡金額を初めて聞いた時は、正直、「高いな」と思いました。
その後、西川さんから「この金額は売り上げの中から払っていくから借金ではないこと。もちろんきちんと稼がねばならないが、元院長に年に支払う額は売上額の1割以下なので、支払いはそう厳しくはない」との説明を受けて、非常に納得がいきました。
私は投資をやっていて、経済や経営のことを理解していたので、この事業承継の仕組みも凄くよく理解できました。
これが「承継開業のからくり」と私は思っています。
新規とはまるで違う動物病院の承継開業
私は新規で立ち上げて、その後に承継が開業もしていますので、両方の利点も欠点もわかっています。承継開業は新規開業とはまるで違います。
1:勉強する時間があるかないか
第1には、勉強する時間があるかないか、です。
獣医師は常に新しい知識や技術を学んでいかなければなりませんが、独り院長だと新しいことを勉強しに行く時間がありません。
私は勤務医時代には頻繁にセミナーに行っていましたが、開業した途端に行けなくなったことに危機感を感じていました。
大病院を承継したので、どんどんセミナーに行っています。
この月に私が病院に出勤したのは10日間だけで、週1日の家族との時間とあとは全部セミナー参加でした。海外のセミナーにも行っています。
2:スタートラインの違い
第2には、スタートラインの違い、です。
新規はゼロからのスタートですが、承継はすでに患者さんのリストがあり、承継した初日から来院があり、売り上げがある点です。
3:売り上げの違い
第3には、売り上げの違い、です。勤務医でスキルがある人なら、承継開業ではいきなり1億円、2億円の売り上げがある病院を引き継ぐことができます。
この売り上げの差がどこで出て来るかと言えば、例えば、器械を買う時です。
承継は売り上げから資金がたまった時点で新しい器械を買うことができます。借金しなくても新品が買える点です。
若い勤務医たちの動物病院の新規開業神話
まだまだ若い勤務医たちには動物病院の新規開業神話があります。それは、セミナーなどに参加して院長の話を聞くことがあるでしょうがセミナーに行ける院長は開業して3年くらいで3人くらいの勤務医がいる病院にした成功者です。
私は新規開業2年で病院を譲りましたが、セミナーには行けませんでした。
若い勤務医はセミナーに来ている成功した院長の話だけを聞いて、「自分もできるだろう」と勘違いしてしまうのです。
ところが、新規開業でうまくいくかどうかは、ふたを開けてみないとわかりません。
借金を背負わなければいけない
そしてそのふたを開けた時には、3000万円から5000万円の借金をしています。
勤務医は獣医療ではプロですが、経済や経営のことをあまり分かっていないので、この5000万円の借金を背負う意味が分かっていない。
その意味とは、「自分が30年後も同様に働けるかどうか」です。
身体が30年後もきちんと動くのであれば、新規開業でもリスクはないと言えますが、いつ動かなくなるか、いつ病気になるか、わからないのです。
承継で大病院を引き継ぐと、何人かの勤務医やスタッフが居ます。
私が交通事故に遭ったとしても、オーナー経営者として私は病院に残れますし、万が一、私が亡くなってしまっても、妻をオーナーにすれば、家族も守れます。
獣医師の実際の声は他にもありますのであわせてお読みください。
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