新規開業のリスク

Risk

動物病院の新規開業リスク増大の理由

図1は犬の純粋種の新規登録頭数の年次推移である。
2003年をピークにその後は、その後の減少傾向に歯止めがかからず、2012年は2003年の6割の水準にまで低下している。一方で動物病院の増加傾向にも歯止めがかからない。

大都市部の動物病院が増えているとの風評をよく耳にするが、図2の2003年と2013年を比較した都道府県別の動物病院増加率のデータでみると地方都市部での動物病院の増加率の高さが目立つ。

動物病院の開業リスクが今後高くなる理由を整理すると次のとおりである。
  • 犬猫の数が減少する可能性が大きいのに対して、動物病院の増加傾向に歯止めがかからず、動物病院市場の需給バランスは崩れていく。
  • 新規開業時の新患ターゲットの第一は、まだかかりつけ動物病院がはっきりしていない若齢の犬猫である。この若齢の犬猫の数は間違いなく減少する。
  • 飼い主の大病院志向が進んでおり、新規開業病院が選ばれる確率が減る傾向にある。
  • フードと予防薬のネット購入者増加により、開業時の予防収入が減る傾向にある。
  • 医療器械の設備投資額が増加する傾向にあり、借入返済額も増加傾向にある。
重要なことは、上記はすべて長期的傾向なので、開業リスク増大に歯止めがかからない 可能性が高いことである。

図1 犬純粋種の新規登録頭数の年次推移(JKC)

犬登録数

図2 全国の動物病院の都道府県別増加率

  2013年 2003年 2013年対2003年増加率
東京都 1265 1103 115%
神奈川県 880 739 119%
埼玉県 608 486 125%
愛知県 607 479 127%
大阪府 604 520 116%
千葉県 555 461 120%
北海道 541 424 128%
兵庫県 467 392 119%
福岡県 387 311 124%
静岡県 372 298 125%
茨城県 279 239 117%
広島県 215 179 120%
群馬県 203 172 118%
鹿児島県 198 158 125%
宮城県 198 166 119%
栃木県 195 167 117%
熊本県 182 174 105%
京都府 182 170 107%
新潟県 176 135 130%
長野県 172 149 115%
福島県 156 166 94%
三重県 151 136 111%
岐阜県 147 117 126%
岡山県 146 113 129%
山口県 123 96 128%
宮崎県 118 109 108%
岩手県 114 106 108%
長崎県 109 88 124%
奈良県 106 93 114%
愛媛県 104 87 120%
青森県 102 70 146%
大分県 99 99 100%
沖縄県 97 57 170%
滋賀県 96 71 135%
香川県 85 61 139%
石川県 85 60 142%
山形県 84 65 129%
山梨県 74 61 121%
秋田県 71 54 131%
和歌山県 66 61 108%
島根県 65 45 144%
徳島県 64 54 119%
高知県 61 49 124%
鳥取県 54 40 135%
富山県 53 40 133%
福井県 49 36 136%
佐賀県 46 46 100%
合計 10811 9002 120%